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【読書メモ】解像度を上げる

1 章 解像度を上げる 4 つの視点

解像度とは...「物事の理解度や、物事を表現する時の繊細さ、思考の明確さ」を表すもの。解像度が高いほど、これらのことも高いことを表す。

解像度の高い人は、対象を以下の 4 つの観点から見ている

  1. 深さ
    • 対象の物事や事象の原因や要因を細かく掘り下げて理解をしていくこと
    • 何か美味しいと感じる食べ物があった時に、「甘い」「辛い」など理解を深めていくこと
  2. 広さ
    • 対象の物事や事象の原因や要因の多様 性を確保する事
    • おいしいものを食べた時に、「調理法」「素材」など多様性を広げていくこと
  3. 構造
    • 「深さ」「広さ」で捉えた要因の関係性やそれぞれの相対的な重要性を理解していくこと
    • 売り上げの減少をテーマに取った時に、その要因として「顧客数の減少」を考える。その顧客のうち来店数に分けたり、性別で分けたり、それら毎の購入額で分けたり、構造を持たせていくこと
  4. 時間
    • 経時変化や因果関係、物事のプロセスや流れを捉える事
    • 売り上げの減少をテーマに取った時に、上記の構造化が時間経過と共にどのように変化していくのかを考える事

基本的に深さの視点が足りていない事が多いらしい。

2 章 あなたの今の解像度を診断しよう

4 つの視点から解像度を診断する

  1. 深さ
    • その話はどこまで具体的か
    • 5W1H」や「なぜなぜ分析」をすることで解像度を深めていける。
  2. 広さ
    • 多面的に話せるのか
    • ある事象の重要な課題を理解しその解決策を提案するだけでなく、その他の解決策も理解できているのか、という事
  3. 構造
    • 簡潔に話せるか、ユニークな洞察があるか
    • 構造化が出来ているということは、事象の最も重要な点が理解できているという事。それが出来ていれば簡潔に話すことも可能。
  4. 時間
    • 道筋は見えているのか
    • いついつまでにどの程度の目標を達成しないといけないのか、また環境の変化にも目を配れているのか

3 章 まず行動する・粘り強く取り組む・型を意識する

解像度を高めていくにはまず行動が大切と。解像度のために必要な「情報」「思考力」「行動」というのがあって、行動からやれば情報も集まるし思考力も鍛われると。

上げるべきは課題と解決策への解像度

まぁそうね。重要でない課題に対してアプローチしても効果薄いし、何が重要かを見極める意味でも課題に対する解像度を上げていかないといけない。それに対してどんな解決策がマッチするのか考えるには、解決策への解像度も必要ね。解決策を講じたはいいが、課題の一部しか解決できませんでした、以前の課題を悪化させました、だと話にならないしなぁ。

4 章 課題の解像度を上げる「深さ」

良い課題の 3 条件

  1. 大きな課題である
    • 大きさ = 課題の強度 × 課題の頻度
      • 課題の強度: 発生した時のペインの大きさ (ex. 金額、痛み...)
      • 課題の頻度: どのくらい頻繁に起きるか
  2. 合理的なコストで現在解決しうる課題である
    • 解決しうるかどうかを判断するには、解決策に対する知識が必要
    • 合理的なコスト内で解決できるものを選ばないと、得られる価値がそれを下回っては意味がない
  3. 実績を作れる小さな課題に分けられる
    • 小さくを取り組むことでフィードバックを得られるし、解決の可能性を高められる

課題への解像度を深めていくには、今見ている課題が「症状」なのか「病因」なのかを見極める事が大切。「病因」を一つ具体的な物事に対する「症状」と捉える事も出来る。そういた感じで具体度を上げていくとよい。この手法として「内化」と「外化」がある。

  • 内化
    • 読む、聞くなどして情報を取り入れる事
  • 外化
    • 書く、話すなどして情報を発信する事

これをイテレーションしていこうね。

解像度を深めていくための型。深さの視点。

  • 言語化する
    • 内化の前に言語化する。まず言語化(外化)しないと何が必要な情報なのかわからないよね。
    • 言語化する際は主語を明確にしたり動詞を入れたりとにかく文章にする。体言止めとかにしない。この辺はユースケース駆動開発に出てくる叙事的にしように似ている。ユースケースに対する解像度を上げるって事だったのかなぁ。
  • サーベイをする
    • 言語化して明らかになった曖昧な部分を埋めていく作業ね。これをする事でわからない部分をわかるようにする、事もできる。集めた情報を元に何がわかりまだ何がわかってないのか、を明確にする為にも小さな外化を繰り返さなきゃいけんのだろうなぁ。
  • インタビューする
    • 意見ではなく事実を聞く事。事実から仮説を導き出す事。
  • 現場に没入する
    • 見るのではなく観察をする。観察とは注意する対象を決めて見ること。
  • 個に集中する
  • Why so? を繰り返し、事実から洞察を導く
    • Why so not を繰り返し、なぜ解決されていないのかにも身を向けて見る
    • 原因を人ではなく組織や仕組みに対して向けていく
  • 習慣的に言語化する
  • 言葉や概念、知識を増やす
  • コミュニティで深掘りを加速する

5 章 課題の解像度を上げる「広さ」「構造」「時間」

広さの視点

  • 前提を疑う
  • 視座を変える
    • 視野を広げるには視座を上げんといかん
    • 立場を変えて見る
  • 人と話す
  • 改めて深める場所を決める

構造の視点

  • 分ける
    • ロジックツリーみたいに集めた情報を分けていく。どういう切り口で分けるかでツリーの形は変わるね。多次元データベースに対するダイスとかドリルダウンのイメージを持った。
    • 分ける粒度は具体的な行動を取れるようになるまで。抽象度高く何くれば良いかわからなければ、深くしていくための情報や知識を集める。
  • 比べる
    • 比較する為には抽象レベルを揃える必要がある。数値化は抽象化の手段。
  • 関連付ける
    • 互いに繋がりあって相互作用する要素の集合体をシステムという
    • あるシステムはより大きなシステムの一部である。対象の切り出す側面を変えると、別のシステムになる。
  • 省く
  • 質問をする

時間の視点で解像度を上げる

  • 変化を見る
  • プロセスやステップを見る
  • 流れを見る
  • 歴史を振り返る
    • 課題や問題点のルータを知る

6 章 解決策の解像度を上げる

良い解決策の3条件

  • 課題を十分に解決できる
    • オーバースペックになってもダメ。その為にも課題の解像度を上げる。
  • 合理的なコストで現在実現しうる解決策である
  • 他の解決策に比べて優れている

深さの視点

  • プレスリリース
  • 行動可能な単位までHowを問う
  • 専門性を磨いて新たな解決策に気づく
  • 手で考える
  • 体で考える

広さの視点

  • 使える道具を増やす
    • 全く関係のない分野の解決策がはまる場合もある。コミュニティやサーベイが大切。
  • 外部資源を獲得する前提で広げる
    • 今自分たちにできるかどうかは一旦考えない
  • 探索に資源を割り当てる
  • 解決策の真の意味を考える
    • この解決策がどのような意味を持つのか、課題が解決されると何が起こるのか、解決策が生み出す本当の価値は何か、を自問する

構造の視点

意識してなくとも、解決策には必ず構造が存在する。解決策の目的を意識し、どんな構造にするのか考えるのが大切。

  • 解決策の構造はシステム
  • 解決する範囲を決める
    • システムには必ず強みと弱みがあり、それらを言語化できる必要がある
  • 構造のパターンに当てはめる
  • 新しい組み合わせを生み出す
  • 要素間の相性を考える
  • 捨てる事で独自性を出す
  • 制約を意識する
  • 他システムとの連携を考える
  • 意図してなかったシステムの振る舞いに対処する
  • ストーリーを描く
  • 雑な構造から描き始める

時間の視点

  • 最適なステップを見出す
    • 計画に意味はないが、計画を立てることに意味はある。解決策の解像度が上がるから。
    • なぜ今そのステップかという問いに答える。
  • シミュレーションする
    • レベル K 思考
  • 好循環を作り出す
  • 長期の視点で考えて、時間を味方につける
  • アジリティと学ぶ力を高める

7 章 実践して検証する

検証の方法には実際に使ってもらうってのがある。顧客が欲しいと言ってくれることと、身銭を切ることには大きな差がある。うちの社長も常に自分がスタートアップの社長だった時にそのプロダクトを買いたいと思うかを問うているって言ってたなぁ。

8 章 未来の解像度を上げる

課題とは理想とのギャップの中で初めて見つかる。なので理想の置き方は重要。理想に対する解像度を上げるのことも本書の手法が使える。ベースにあるのは、情報・思考・行動の組み合わせ。